こんにちは、そねです
このブログでは、ファッション好きな方に向けてファッションに関する豆知識を配信しています
今回は、1度は耳にしたことがありそうな“サンプル”について
“サンプル”って何?普通の商品と何が違うの?
お手頃なら買ってみたいけど、何か欠点があるんじゃない?
そもそもどうやってサンプルを買うのか分からない…
そんな疑問にお答えし、
- “サンプル”とは何なのか
- “サンプル”の長所と短所
について、
アパレル業界歴10年で実際にサンプル製作にも携わった立場から解説していきます
分かりやすく解説できるよう心掛けます★
“サンプル”って何?
“サンプル”とは商品が発売される前に試作として作られたもの
簡潔にまとめると、デザイナーが「こんな商品を作ろう!」とデザイン画を描き、それをもとに作られた服が“サンプル”です。ファーストサンプルと呼ばれることもあります。トルソーやモデルにフィッティング後、サンプルの丈やデザインを微調整します。その後、セカンドサンプルやサードサンプル、各色サンプルを製作する場合もあります。そして、最終的に決定されたサンプルをもとに、量産商品(店舗で販売される普通の商品)がつくられます。
コレクションのランウェイやLOOK、WEB SHOP商品ページの着用画像でモデルが着用した商品そのもの
一般的に日本のデザイナーズブランドは、1年間に2回(春夏・秋冬)の新作コレクションを発表しています。発表形式は主に3つあり、ランウェイ(ファッションショー)形式、インスタレーション形式、LOOK形式があります。世界の5大コレクションとして、ニューヨークコレクション、ロンドンコレクション、ミラノコレクション、パリコレクション、東京コレクションがあります。コレクションへの出場、特にパリコレクションは、デザイナーやモデルにとっての憧れの場です。そのコレクション発表時にモデルが着用しているものも、“サンプル”です。
バイヤー等業界者向けの展示会にも陳列される
展示会とは、前述のコレクション発表直後に開催される、バイヤーなど業界関係者向けの新作お披露目会です。ブランドによっては、フレンズデーを設けており一般客も来場可能な場合があります。
ちなみにバイヤーとは、セレクトショップ(ブランドにとっての取引先)に並べる商品をセレクトする立場の人で、バイヤーからの発注数によって量産枚数が決定するため、展示会はブランドにとって重要な場となります。そんな展示会でのお披露目に陳列されている商品も“サンプル”です。
雑誌でモデルが着用したり、TVや映画等の衣装としてタレントや俳優が着用する場合もある
雑誌でのモデル撮影時にも“サンプル”が使用されます。モデル撮影後、商品発売時期に重なるくらいのちょうど良い時期に雑誌掲載されるようスケジュールが組まれています。
また、映画の衣装としても“サンプル”が使用される場合もありますが、俳優の着用シーンによっては服が汚れる可能性もあるため、その様な撮影の衣装にはサンプルではなく普通の商品(映画制作会社が買い取る形)が使用されます。映画のエンドロールに衣装提供としてブランドの名前が出ることもあるので、ぜひ注意して見てみて下さい。
新商品を製作時に参考品として使用されたり、量産時に工場で縫製等の見本として使用されることもある
量産時には“サンプル”を見本として縫製などの工程が行われます。仕様書のみでも生産可能な場合もありますが、生地に対しての縫製糸の色味だったり、細かなデザインなどサンプルを見ながら作成した方がより正確に仕上がるからです。
“サンプル”の長所と短所
サンプルの長所
お手頃価格で手に入る
1番の醍醐味はお手頃価格で手に入るということです。割引率はブランドや商品の状態により様々ですが、一般的なセール価格よりもお得に購入できる場合が多いです。
量産商品にはないレアなアイテムが手に入る
コレクション発表時にモデルが着用していた商品の中で、その後量産されない商品のことを“ドロップ商品”と言います。例えば、白・黒・赤の3色のうち、赤のみ量産は辞めようといったケースは“カラードロップ”と言われます。また、商品そのものを量産しない(型ドロップ)こともあります。サンプルセールではそのようなレアな商品(=1点モノ)を手に入れることができます。
特別感を味わえる
これまでの解説通り、“サンプル”はコレクションや展示会、雑誌等の撮影まで、ファッションには欠かせない特別なシーンに携わってきた商品です。そのような役目を終えてサンプルセールで販売され、最終的に購入者の元に届く為、普通の商品とはひと味違った特別感を味わえます。
サンプルの短所
使用感がある場合がある
前述の通り、“サンプル”はコレクションや展示会、雑誌等の撮影まで、様々なシーンに携わってきた商品のため、使用感がある場合があります。その商品により使用感が異なる為、販売時に商品の状態をみて割引率が決められていることもあります。
お目当ての商品は入手困難
サンプルはほとんどが1点モノのため、目当ての商品を手に入れるのは至難の技です。ウェブショップでの開催の際は販売開始時刻に多くのファンのアクセスが殺到したり、オフラインの会場で行われる際も早い者勝ちとなります。また、コレクション商品の全てがサンプルセールで販売されるとは限らないため、必ず手に入れたいというお目当ての商品がある場合はサンプルセールではなく、店舗やウェブショップでの購入がおすすめです。
購入できる日時や場所が限られている
サンプルセールはクローズされた場所で限られた期間に開催されます。オフラインの会場で行われる際は、ブランドのアトリエやその付近、プレス会社等で開催されることが多いので、都内付近に在住の方は購入しやすいです。ウェブショップでの開催の際は、通常のウェブショップではなく限られた人にのみ公開・販売される特設会場にて販売されるケースが多いです。こちらも日時が限られているため、人気商品は特に争奪戦になることが見込まれます。
まとめ
今回は“サンプル”について、そもそもサンプルとは何なのか?ということからサンプルの長所・短所まで解説してきました。
なんとなーくご理解頂けたでしょうか?
この記事で、“サンプル”について少しでも興味を持って頂ければ嬉しいです。
“サンプル”について理解が深まったところで、サンプルを実際に購入してみたい!と思った方は次の記事も是非、読んでみて下さいね。
最後までご覧頂きありがとうございました★